鍛造後の機械加工の流れ

カテゴリーblog
この投稿をシェア twitter facebook line
OKUMA-MB-56VBの写真

【初心者向け】鍛造後の機械加工の流れとは?工程ごとの役割とポイントを解説!

鍛造は金属に強度を持たせる優れた加工方法ですが、鍛造品=完成品というわけではありません。多くの場合、鍛造後に「機械加工」という工程を経て、図面どおりの寸法や精度に仕上げていきます。

この記事では、「鍛造のあと、どんな加工をしているの?」という疑問に答えるべく、鍛造後の機械加工の流れについてわかりやすく解説します。

なぜ鍛造後に機械加工が必要なのか?

鍛造によって金属の大まかな形状は作れますが、

  • 寸法公差が厳しい部分
  • 精密な穴あけやネジ切り
  • 表面の平滑仕上げ

などは鍛造だけでは対応できません。そこで、「切削加工」などの機械加工で仕上げる必要があるのです。

鍛造品の機械加工フロー(一般的な流れ)

以下は、鍛造品を完成品に仕上げるまでの代表的な工程です。

1. 

前処理・洗浄

  • スケール(酸化皮膜)や油分を除去
  • 必要に応じてショットブラストや酸洗い

2. 

チャッキング・治具セット

  • ワークを機械に固定(位置決め)
  • 精度確保のために専用治具を使用することも

3. 

荒加工(粗取り)

  • 切削量が多い部位を旋削・フライスで一気に削る
  • 目安の寸法まで削り、仕上げ加工の下地を整える

4. 

仕上げ加工(精密加工)

  • 公差・精度の必要な面を正確に加工
  • 穴あけ、タップ、ネジ切り、研削などを含む場合も

5. 

熱処理(必要に応じて)

  • 焼入れや焼き戻しにより硬さや耐久性を向上
  • 加工順序によっては先に熱処理→仕上げ加工となることも

6. 

仕上げ検査

  • 寸法・形状・外観などを測定器でチェック
  • ノギス、マイクロメーター、三次元測定機などを使用

加工で重要なポイント

  • 基準面の確保:精度の基礎となる面は最初に仕上げる
  • バリ・スケールの処理:鍛造時に出た不要部分は先に除去
  • 工具摩耗の管理:鍛造材は硬く工具に負担が大きい
  • 熱処理との順番:寸法変化を見越した工程順が必要

    まとめ:鍛造と機械加工は一体で考えるべき
    鍛造は「素材の骨格づくり」、機械加工は「性能の最終仕上げ」。どちらが欠けても、製品として成立しません。だからこそ、鍛造設計と加工設計は連携が重要です。製品の目的や精度要求に応じて、最適な加工フローを組み立てましょう。


お問合わせはこちら