100Gbps時代を拓く──ビヨンド5Gを支える高周波技術の最前線

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5G通信の商用化が進む中、次に待ち受けるのが「ビヨンド5G(6G)」です。最大通信速度100Gbps以上、遅延1ms以下、同時接続数の大幅拡大──これらを実現するには、従来の技術アプローチでは不可能に近く、革新的な高周波技術の導入が求められています。

■ 100GHz帯域の活用がカギ

ビヨンド5Gでは、テラヘルツ(THz)帯を含む100GHz超の高周波数帯の活用が現実味を帯びています。これにより、広帯域な周波数資源を使った超高速通信が可能となりますが、一方で、電波の直進性や減衰の大きさといった課題も浮き彫りになります。

■ 高周波対応部品の進化

これまでのRF(無線周波数)技術では対応できない領域に踏み込みつつある中、電子部品にも抜本的な進化が求められています。

  • 高周波対応のコンデンサー/インダクター/フィルター
  • GaN(窒化ガリウム)やInP(リン化インジウム)による高出力・高耐圧トランジスタ
  • ミリ波/サブテラヘルツ帯のアンテナモジュール
  • 高周波基板材料(LCP、PTFE系)
  • 低損失・低誘電率絶縁材の開発

■ パッケージングと実装も高周波時代へ

高周波化は、配線の長さ・形状すら信号伝送に影響を与えるため、パッケージングや基板設計そのものも進化が必要です。特にアンテナと回路の統合設計(AiP:Antenna in Package)は、高周波実装における中核技術となりつつあります。

■ 産業応用の加速

ビヨンド5Gの高速・低遅延通信は、単なるスマートフォンの進化にとどまらず、自動運転、遠隔医療、スマート工場、メタバースといった次世代アプリケーションを支える基盤になります。高周波技術のブレイクスルーは、社会全体の変革と密接に結びついているのです。

■ 高周波は未来を拓くインフラ

高速化は「回線の進化」だけでは成立しません。それを実現する電子部品や半導体の“静かなる革新”があってこそ、100Gbps時代がやってくるのです。見えないところにこそ、真の技術革新が宿っています。

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