次世代半導体を支えるプリント基板技術の革新|2.XD時代への挑戦
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半導体技術は、かつての微細化一辺倒の「2Dスケーリング」から、パッケージングや配線構造の革新による「2.XD世代」へと進化を遂げようとしています。そこにおいて、プリント基板(PCB)技術の高度化が極めて重要な役割を担っています。
■ 2.XD世代とは何か?
“2.XD”とは、2D(平面)スケーリングを超えた“多次元的”な技術進化を意味します。FinFETやGAAFETといったトランジスタ構造の進化に加え、チップレットや3D-ICといったパッケージング技術の発展が含まれます。これらを実現するためには、高密度・高多層・高精度なプリント基板技術が不可欠です。
■ プリント基板に求められる新たな要件
次世代半導体では、以下のような要求に対応できるPCB技術が求められています:
- 超高密度配線(HDI):狭ピッチ対応のマイクロビア、サブ10μmライン&スペース
- 優れた熱拡散性・低熱膨張性:高速動作チップの発熱に対応する放熱設計
- 高周波対応性:5G/6GやAIプロセッサ向けに損失の少ない絶縁材料や構造設計
- 異種材料接合技術:半導体チップ、基板、ヒートスプレッダとの高度な接続信頼性
■ RDLやインターポーザーとの融合
最近では、半導体パッケージの再配線層(RDL)やインターポーザーの領域に、PCB技術が積極的に取り入れられています。ガラス基板や有機基板をベースにした**ファンアウト型パッケージ(FO-WLP)**や、2.5D/3D実装では、従来の基板技術に微細加工技術が加わることで、新たな高密度実装が可能になっています。
■ 基板メーカーの挑戦と差別化
日本をはじめとする基板メーカーは、材料開発・配線形成・積層技術・精密加工において、独自のコア技術を武器に2.XD市場に参入。特に、AIチップやデータセンター向け高性能プロセッサのインターポーザー用途で、付加価値の高い技術展開が進んでいます。