機械別(旋盤 vs マシニング)の違い

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【図でわかる】旋盤とマシニングの違い|加工のプロが教える使い分け

こんにちは、町工場で切削加工を営んでいるカズヒデです。

「旋盤とマシニングって、何が違うの?」
これはよく聞かれる質問です。

どちらも金属を削る加工機ですが、用途も形もまったく違うんです。
今回は、この2つの違いを、現場目線でわかりやすく解説していきます。


ざっくり言うと:

項目旋盤(Lathe)マシニングセンタ(Machining Center)
動くもの材料(ワーク)が回転する工具(カッター)が回転する
得意な形状円筒形、丸い部品平面・穴・複雑な3D形状
主な加工内容外径削り、内径削り、ネジ切りフライス加工、穴あけ、タップ、彫り込みなど
加工精度高精度(回転対称に強い)平面・複雑形状に対応
自動化の進化NC旋盤、複合旋盤(Y軸・ミル機能付)5軸マシニングなど多軸化が進む

旋盤:丸物にめっぽう強い「回転職人」

旋盤は、材料(ワーク)を回転させて固定したバイトで削る機械です。

特徴

  • 主に丸棒材を使い、外径・内径を削るのが得意。
  • シャフト、軸受け、ネジ、パイプなど、「回転対称」の部品加工にぴったり。
  • NC旋盤になると、プログラムで自動加工が可能。

現場の声

「とにかく同心円の精度が高い。0.01mmのズレも許されない場面では旋盤一択。」


マシニングセンタ:多才で器用な「加工のオールラウンダー」

マシニングセンタは、工具が回転して、材料をあらゆる方向から削る機械です。

特徴

  • 平面の切削、穴あけ、溝加工など、形状の自由度が高い。
  • 板材、ブロック材などの角モノに向いている。
  • **多軸制御(3軸・4軸・5軸)**で、複雑な3D加工にも対応可能。

現場の声

「とにかく万能。アイデア次第で、ほぼ何でも作れる。」


実際の使い分け例

例1:自動車部品の場合

  • エンジンのシャフト → 旋盤で丸物加工
  • エンジンカバー → マシニングで平面&穴あけ加工

例2:ロボットアームのジョイント

  • 回転軸は旋盤で作り、
  • アームの本体やブラケットはマシニングで加工する。

複合加工機って何?

最近は「どっちもできる機械」が出ています。
それが複合旋盤5軸マシニングセンタです。

たとえば、旋盤の機能にフライス(ミル)加工が付いたり、マシニングで旋回軸を増やしたりと、1台で完結する多機能マシンが増えています。

ただし、機械が高価だったり、プログラムが複雑だったりするので、導入にはノウハウが必要です。


初めて加工を依頼するなら?

「どっちの機械を使えばいいのか分からない…」という場合、
作りたい部品の図面やイメージを見せていただければ、こちらで最適な加工方法を提案します。

丸いものなら旋盤、四角いものならマシニング、が基本ですが、
それに限らずコスト・精度・納期のバランスで判断するのがプロの仕事です。


まとめ:どちらも必要不可欠な加工技術

  • 旋盤は、回す加工(回転軸中心)
  • マシニングは、削る加工(XYZ方向の彫刻)

それぞれの得意分野を活かして、町工場では毎日いろんな形の部品を生み出しています。

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