加工方法とツーリング
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【機械加工の基本】加工方法とツーリングとは?工具交換が生産性を左右する理由
製造業における機械加工は、金属を削って形を作る工程の中核です。その中でも「ツーリング(tooling)」は、加工精度・生産性・品質を大きく左右する重要な要素。
今回は、代表的な加工方法とツーリングの意味、そして現場での活用ポイントについて初心者にも分かりやすく解説します。
そもそも「加工方法」とは?
加工方法とは、素材を目的の形状に変える手段のことです。代表的な「除去加工」の中には以下のような方法があります
加工方法 | 内容 | 使用工具 |
旋削(せんさく) | 回転するワークを刃物で削る | バイト |
フライス加工 | 回転する刃物で固定されたワークを削る | エンドミル,カッター |
穴あけ加工 | ドリルで穴を開ける | ドリル,リーマ |
ねじ切り | ネジ山を削る | タップ,ダイス |
研削加工 | 砥石で仕上げる高精度加工 | 砥石 |
これらの加工にはすべて「工具(ツール)」が必要であり、その工具を機械に取り付けて使えるようにするのがツーリングです。
ツーリングとは?
ツーリングとは、加工機と工具を接続・交換・保持するための仕組みや工程全体を指します。
【構成要素】
- ツールホルダー(工具を保持する部分)
- 工具本体(エンドミル、ドリル、タップなど)
- アタッチメント・コレット(工具と主軸をつなぐ)
- プリセット装置(工具長や径を事前に測定)
つまり、ツーリングは単なる「工具交換」ではなく、段取り・精度・安全性を支える重要な工程なのです。
なぜツーリングが重要なのか?
1.
段取り時間に直結する
- 工具を素早くセットできれば、生産性は大幅に向上します。
2.
加工精度を左右する
- 工具がきちんと固定されていなければ、振れやビビリが発生し、精度や表面粗さに悪影響を及ぼします。
3.
工具寿命に影響する
- ツールホルダーやチャックの精度が悪いと、偏摩耗が発生しやすくなります。
- まとめ:ツーリングは「加工の準備力」加工方法が「削る力」なら、ツーリングは「準備の力」。しっかりとしたツーリングがあってこそ、工具が本来の性能を発揮し、高品質な製品づくりが実現します。生産性向上、段取り時間の短縮、工具の寿命延長など、ツーリングは現場改善のカギとなる要素です。