生産性向上とトラブル対策に適したエンドミル
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~加工能率と安定性を両立する賢い選択~
「もっと速く、もっと安定して削りたい」――製造現場で多くのエンジニアが抱えるこの課題を解決するには、“生産性を高める”だけでなく“トラブルを防ぐ”エンドミル選びが欠かせません。本記事では、切削能率と安定加工を両立するエンドミルの選定ポイントと、おすすめの仕様をご紹介します。
1. 生産性向上のためのポイント
高送り対応エンドミル
- 小さな切込みで大きな送りが可能
- 加工時間を短縮しつつ、工具寿命も延ばせる
多刃エンドミル(5~7枚刃)
- 1回転あたりの切削量が多く、取り代を一気に除去可能
- ただし切粉詰まりには注意が必要
内部給油式エンドミル
- 切削点にクーラントを直接供給
- 工具冷却・切粉排出性が大幅に向上
2. トラブル対策に有効な仕様
ラジアスエンドミル
- コーナーに丸みを持たせ、欠けやチッピングを防止
- 精密部品やポケット加工で効果大
びびり抑制設計(不等リード・不等ピッチ)
- 加工中の振動を抑えて、加工面の品質安定
- 特に仕上げ工程や高硬度材で有効
特殊コーティング(AlCrN、DLCなど)
- 耐熱・耐摩耗性を高め、長寿命化&トラブル低減
3. 選定時のチェックリスト
- ✔ ワーク材質と熱伝導率に合ったコーティングか?
- ✔ 工具径に対して突出し長さは適切か?(L/D比)
- ✔ 加工工程(荒取り・仕上げ)に応じた刃数か?
- ✔ 機械側の主軸出力や剛性とマッチしているか?
まとめ
エンドミルはただ“削れる”だけでは不十分。生産性・工具寿命・トラブル回避という三拍子を実現するには、用途に応じた仕様選定と条件最適化が必須です。日々進化する工具テクノロジーを活かし、競争力のある加工現場をつくりましょう。