切込み角とノッチ摩耗の関係|摩耗集中を避けるための設計と加工知識

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切削工具の寿命に大きく影響するノッチ摩耗。特に切込み角(アプローチアングル)は、切削負荷の分散と集中を左右する重要な要素です。ノッチ摩耗を防ぐには、加工材・切削条件・工具設計とあわせて切込み角の最適化が不可欠です。

1. ノッチ摩耗とは?

ノッチ摩耗は、切込み深さに相当する工具の特定位置に集中して発生する摩耗です。酸化・硬化層・加工熱などの影響で工具端部が削られ、以下のようなトラブルを引き起こします:

  • 寸法不良や形状不良
  • 工具欠損(チッピング)
  • 加工面の粗化

→ 切削抵抗と摩耗分布を考慮し、加工内容に応じて角度を選定することが重要。

2. 対策としてのアプローチ

  • 切込み角を75°〜60°に調整して摩耗位置を広範囲に分散
  • コーティング工具(TiAlN・AlCrN)で耐酸化性を向上
  • クーラント供給を最適化し、切削熱を制御
  • 初期摩耗が目立つ場合は、プリホーニング刃先の使用も検討

■ まとめ

ノッチ摩耗は「角度」で抑えられる。切込み角の調整は、見落とされがちですが摩耗抑制の重要なパラメータです。工具寿命や加工品質の改善を目指すなら、アプローチアングルの見直しが効果的な第一歩です。

このブログを書いた人

長谷川 一英

有限会社 長谷川加⼯所

代表取締役

長谷川 一英

切削加⼯の長谷川加⼯所について

切削加⼯で難しい産業部品を柔軟に製作。
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