ダイカスト鋳造で見られる代表的な欠陥とは?
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ダイカストは金型を用いた高圧鋳造法で、寸法精度が高く、量産に適した優れた工法です。しかし、プロセス特有の欠陥も存在します。本記事では、ダイカストでよく見られる代表的な欠陥とその発生原因を紹介します。
1. ヒケ巣(シュリンクポロシティ)
鋳造中の収縮によって、金属が凝固しきれず空洞が生じる現象です。金型冷却が不均一であったり、ゲート設計が不適切な場合に発生します。
2. フローライン(湯じわ)
溶湯が複数の流れとなって合流した際に、冷却が不均一で金属表面に線状模様が現れる欠陥です。温度差や金型表面状態に起因します。
3. 焼付き(ソルダリング)
溶湯中の金属成分が金型と反応し、鋳物表面に溶着してしまう現象です。高温状態の維持時間が長すぎる場合などに生じます。
4. ヘアラインクラック(冷却割れ)
急冷や金型拘束によって、凝固後に引っ張り応力が生じ、微細なひび割れが入る欠陥です。特に薄肉部品で発生しやすくなります。
5. ブローホール(ガス欠陥)
型内の空気や溶湯中のガスが十分に抜けきれず、鋳物内部に気泡として残る現象です。排気設計の見直しや真空引きの導入で対策されます。
ダイカストでは、高速・高圧の鋳造特性を理解し、それに応じた金型設計・温度管理・充填制御が不可欠です。欠陥ごとの原因を把握し、工程ごとの最適化を進めることが、品質安定の鍵を握ります。
このブログを書いた人

有限会社 長谷川加⼯所
代表取締役
長谷川 一英
HASEGAWA KAZUHIDE
切削加⼯の長谷川加⼯所について
切削加⼯で難しい産業部品を柔軟に製作。
アルミ・スレンレス・鉄 etc。
試作・⼩ロット量産。
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