自動運転が牽引する“半導体×モビリティ”市場の未来

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自動車産業は今、かつてない技術革新の波にさらされています。その中心にあるのが自動運転技術であり、これを支えるのが膨大な量の半導体デバイスです。エンジン制御から安全支援、さらにはAIによる経路判断まで、自動車は「動く電子機器」へと進化しており、それに伴い半導体市場も大きな拡大を見せています。

◆ 自動運転レベルと半導体の関係

自動運転技術は、国際的に以下のようなレベル分けがなされています:

  • レベル0〜1:運転支援(警告やブレーキ制御など)
  • レベル2:部分自動運転(加減速・車線維持)
  • レベル3〜4:条件付き/高度自動運転(限定条件下で自律)
  • レベル5:完全自動運転(ドライバー不要)

レベルが上がるにつれて、搭載されるセンサ、カメラ、LIDAR、AI演算チップなどの半導体の種類・量・処理能力が飛躍的に増大します。

◆ 自動車1台あたりの半導体使用量が倍増へ

従来の内燃機関車(ICE)では、車両1台あたり約300〜400ドル程度の半導体が使われていましたが、電動化・自動運転化の進展により、その金額は1000ドル以上に達するとも言われています。特に注目されるのが以下の領域:

  • SoC(System on Chip)による運転判断
  • センサフュージョン制御チップ
  • パワー半導体(SiC・GaN)による駆動系制御
  • 車載ネットワーク用の通信IC(CAN・Ethernet)

自動車の中が“小さなデータセンター”と化していくことで、半導体業界にとっては新たな巨大市場が生まれているのです。

◆ 今後の市場予測と課題

調査会社によると、車載用半導体市場は2025年には1000億ドル(約14兆円)超に達する見通しです。一方で、以下のような課題も顕在化しつつあります:

  • 長期供給体制の確保(車載品質と供給リードタイムのギャップ)
  • 熱・振動・環境耐性の強化
  • OTA(無線更新)への対応とセキュリティ

このように、自動運転の進展は「自動車産業」と「半導体産業」の融合を一気に加速させており、モビリティ社会の未来を大きく変える可能性を秘めています。

このブログを書いた人

長谷川 一英

有限会社 長谷川加⼯所

代表取締役

長谷川 一英

切削加⼯の長谷川加⼯所について

切削加⼯で難しい産業部品を柔軟に製作。
アルミ・スレンレス・鉄 etc。
試作・⼩ロット量産。
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