電子回路を支える縁の下の力持ち|代表的な受動部品の役割と特徴
カテゴリーblog

「受動部品」とは何か?
電子機器を構成する部品には、「能動部品」と「受動部品」があります。受動部品(passive components)とは、自ら信号を発生したり増幅するのではなく、入力された電気信号に対して受動的に電気特性を制御する部品のことです。
受動部品は、回路の動作を安定化させ、電圧や電流の調整、信号のフィルタリング、ノイズ除去、エネルギー蓄積などの縁の下の力持ち的な役割を果たします。
代表的な受動部品とその機能
以下は、電子回路において不可欠な主要な受動部品です。
① 抵抗器(Resistor)
電流の流れを制限したり、電圧を分圧したりするために使われます。
- 単位:オーム(Ω)
- 種類:チップ抵抗、可変抵抗器、セメント抵抗など
② コンデンサ(Capacitor)
電気エネルギーを一時的に蓄え、急激な電圧変動を抑える役割を持ちます。
- 単位:ファラド(F)
- 種類:電解コンデンサ、積層セラミックコンデンサ(MLCC)など
③ コイル/インダクタ(Coil/Inductor)
電流の変化を抑える働きがあり、ノイズ除去やフィルタ回路に使用されます。
- 単位:ヘンリー(H)
- 種類:トロイダル型、チップインダクタなど
その他の受動部品
- フェライトビーズ:高周波ノイズを吸収・除去するノイズフィルター部品
- バリスタ・サージアブソーバ:過電圧を吸収して回路を保護
- トランス(変圧器):絶縁・電圧変換を受動的に行う装置(分類上は一部能動的に扱われることも)
受動部品の重要性と技術革新
スマートフォン、車載機器、IoTデバイスの高性能化にともない、受動部品にも以下のようなニーズが高まっています:
- 小型・高密度実装への対応(特にMLCCの微細化)
- 高周波対応(5G通信機器など)
- 高信頼性・高耐圧(車載・医療機器用途)
受動部品は目立たない存在ですが、電子機器の性能と信頼性を根底から支える技術要素として欠かせない存在です。
このブログを書いた人

有限会社 長谷川加⼯所
代表取締役
長谷川 一英
HASEGAWA KAZUHIDE
切削加⼯の長谷川加⼯所について
切削加⼯で難しい産業部品を柔軟に製作。
アルミ・スレンレス・鉄 etc。
試作・⼩ロット量産。
詳しくはこちら
