受動部品の進化は能動部品とともに|技術革新を支える静かな主役たち

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電子回路に欠かせない“名脇役”

トランジスタやIC、マイコンといった能動部品の進歩に注目が集まりがちですが、それらが真価を発揮するためには、必ず受動部品の存在があります。電圧や電流を制御し、信号を安定させ、ノイズを除去し、必要なタイミングで電力を供給する——これらはすべて受動部品の役割です。

電子回路の進化の裏には、能動部品とセットで改良されてきた受動部品の技術革新があります。

小型・高性能化で支える

スマートフォンや自動車、通信機器などの高密度実装が進むなか、受動部品も小型化・高信頼化が求められる時代となりました。特に、コンデンサ(MLCC)や抵抗器、インダクタなどは1mm未満の極小サイズでも高い性能を維持するようになり、能動部品とともに基板上に集積されるのが当たり前となっています。

能動部品の性能を引き出す役割

たとえば、マイコンやセンサを搭載する回路では、信号の平滑化や電源の安定供給のためにコンデンサが使われます。高周波通信を扱うRFモジュールでは、ノイズを抑えるフェライトビーズや高Qインダクタが欠かせません。どんな先端デバイスにも、受動部品は密接に関与しているのです。

技術の最前線でも受動部品が活躍

5G、EV、医療機器、宇宙機器など、過酷な環境や高性能が求められる分野では、**受動部品そのものにも高耐圧・高信頼・高周波対応といった要素が求められます。**また、回路モジュールへの組込みや多機能化、さらには能動部品との一体化も進んでいます。

「静かな主役」の存在を再認識しよう

受動部品は決して主役ではありませんが、能動部品が思いどおりに機能するための“環境”を整える不可欠な存在です。技術革新のたびに、静かに、しかし確実にその性能を高めてきた受動部品。彼らの進化は、電子産業そのものの進化と密接につながっています。

このブログを書いた人

長谷川 一英

有限会社 長谷川加⼯所

代表取締役

長谷川 一英

切削加⼯の長谷川加⼯所について

切削加⼯で難しい産業部品を柔軟に製作。
アルミ・スレンレス・鉄 etc。
試作・⼩ロット量産。
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