市場を見て、未来を創る|研究・開発部門に求められる視野と戦略性
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研究・開発(R&D)部門と聞くと、純粋に技術を追求する“理系の世界”という印象を抱きがちです。しかし、現代の電子部品業界では、市場ニーズを捉えた研究・開発活動が求められており、技術の種をビジネスに昇華する力が問われています。
■ 技術だけでは開発は進まない
かつては「良いものを作れば売れる」という時代もありましたが、現在は顧客の課題を解決する技術が求められています。そのため、開発段階から以下のような視点が不可欠となります:
- どの市場が伸びているか(例:EV、5G、医療、データセンター)
- 顧客はどんな課題に直面しているか(例:省スペース、放熱、信頼性)
- 他社はどのような技術を開発しているか(競合技術の把握)
これらを理解したうえで、技術の優先順位や開発方針を柔軟に組み立てることが求められます。
■ R&Dの業務領域は多岐にわたる
研究・開発部門の主な役割には以下があります:
- 材料開発・構造設計・回路設計
- 新機能の検証と試作
- CAEによる予測評価
- 知財(特許)戦略の立案
- 社内外の技術連携・共創活動
これらの活動すべてにおいて、市場や顧客を意識しながら技術を“商品化可能な価値”へとつなげていく視座が必要です。
■ 必要な人材像
市場理解を踏まえた開発を行うには、以下のような力を持つ人材が求められます:
- 技術を言語化・可視化する力(企画資料、特許出願、顧客説明)
- マーケットリサーチへの関心と応用力
- 他部門との連携力(営業・製造・品質など)
- 論理的な問題解決と、仮説思考
研究者でありながら、“技術で何を解決するか”を問うビジネスマインドを持った人材が活躍しています。
■ まとめ
研究・開発部門は、単なる“技術供給者”ではなく、事業成長の源泉としての役割がますます大きくなっています。市場に目を向け、自ら問いを立てることができる技術者こそ、これからのイノベーションを牽引していくでしょう。