車載ICが未来を拓く──“CASE革命”が火をつける半導体市場の主戦場

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自動車産業は今、「100年に一度の変革期」と呼ばれる転換点を迎えています。この変革の中心にあるのが**CASE(Connected, Autonomous, Shared, Electric)であり、それに伴って必要とされる車載半導体(車載IC)**の重要性が急速に高まっています。

その結果、半導体メーカーが注力すべきターゲット市場として、いま最も熱いのが車載分野なのです。

◆ 車載ICとは何か?

車載IC(車載用集積回路)とは、自動車の電子制御システムに使用される半導体部品のこと。以下のような領域に広く使われています:

  • ECU(電子制御ユニット)向けマイコン
  • センサ信号処理用アナログIC
  • 通信・ネットワーク制御用チップ(CAN/LIN/Ethernet)
  • パワーデバイスを制御するドライバIC
  • AI推論・画像認識用の演算SoC

これらのICは、激しい振動・高温環境・長期間の信頼性が求められる“車載グレード”として設計される必要があります。

◆ 自動車の進化が生む“半導体需要の爆発”

CASEの進展により、自動車には以下のような変化が起きています:

  • 電動化(E) → パワー半導体と制御ICの需要増
  • 自動運転(A) → AI処理用SoC、センサ信号処理ICの搭載拡大
  • 接続性(C) → 通信IC、セキュリティICの重要性増加
  • シェア・サービス(S) → OTA対応や常時接続性が前提となる設計へ

これにより、1台あたりの車載IC搭載数はかつての数十個から数百個へと拡大し、量・機能・品質のすべてにおいて進化が求められています。

◆ 車載ICは半導体業界の成長エンジンに

今やPCやスマホ向けの汎用IC市場が成熟する中で、車載分野は高成長・高利益率・長寿命サイクルという特異な市場構造を持ちます。特に以下のような点で、メーカーにとっては魅力的なフィールドです:

  • 品質基準が高く参入障壁がある=ブランド力と技術力が活きる
  • 製品寿命が10年以上と長く、リピート性が高い
  • 一度採用されればモデルチェンジまで継続されやすい

世界の車載IC市場は、2030年には1000億ドル超の巨大市場に達するとされ、多くの半導体メーカーが開発・投資を加速させています。

このブログを書いた人

長谷川 一英

有限会社 長谷川加⼯所

代表取締役

長谷川 一英

切削加⼯の長谷川加⼯所について

切削加⼯で難しい産業部品を柔軟に製作。
アルミ・スレンレス・鉄 etc。
試作・⼩ロット量産。
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