多彩な仕様で広がる抵抗器の世界|カラーバーに見る識別と規格の工夫
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抵抗器は、電気回路において電流を制限したり、電圧を分圧したり、信号を整形する基本中の基本ともいえる受動部品です。小型・安価ながらも、用途や設置環境、求められる精度に応じて非常に多彩なラインナップが存在します。
主な抵抗器のタイプには、炭素皮膜抵抗器、金属皮膜抵抗器、金属酸化物皮膜抵抗器、巻線抵抗器、厚膜チップ抵抗器などがあり、特性や使用温度範囲、許容電力などが異なります。特に表面実装技術(SMT)の普及に伴って、チップ型抵抗器の需要が大きく伸びており、小型・高精度・高信頼性がキーワードとなっています。
スルーホール型のリード付き抵抗器では、抵抗値や許容誤差を色帯(カラーバー)で識別する方式が今も広く使われています。例えば、4本や5本の色帯は、それぞれ数字や乗数、許容誤差を表しており、色の順番を読み取ることで数値が分かるようになっています。
このカラーバー方式は、簡便で視認性が高く、設計・実装の現場では長年にわたり標準的な表記方法として使われてきました。昨今では自動認識対応やRoHS指令対応なども進んでおり、環境対応型の製品ラインも増えています。
シンプルながら奥の深い抵抗器は、電子部品の基礎知識を学ぶ上でも、非常に良い入り口となる部品です。そのバリエーションと規格の理解は、回路設計者にとって重要な基盤の一つです。