進化する高周波対応設計|電子部品に求められる新たな技術とデータ特性

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5G・6G通信、ミリ波レーダー、自動運転技術――近年の電子機器は、より高い周波数帯域での動作を要求されるようになってきました。これにより、電子部品の設計思想や求められるデータ特性も大きく変わりつつあります。

高周波領域では、部品のわずかな寄生容量・寄生インダクタンスが大きな影響を及ぼすため、従来の低周波対応品では十分な性能が発揮できません。そこで注目されているのが、高周波対応に特化した電子部品設計と評価技術です。

たとえば、コンデンサであれば高周波領域でも安定したインピーダンス特性を保つ低ESL(等価直列インダクタンス)型、コイルでは高Q値を維持する低損失設計が求められます。さらに、材料の誘電特性や導体パターンの形状最適化など、ナノオーダーの設計対応が不可欠となっています。

これにともない、回路設計者や部品メーカーの間では、Sパラメータやインピーダンスプロファイルなどの高周波特性データの重視が進んでいます。従来のDC特性中心の選定から、GHz帯での振る舞いを把握した部品選定へと移行しているのが現在のトレンドです。

高周波設計対応はもはや一部の専門用途だけではなく、あらゆる分野で不可避の課題となりつつあります。今後、電子部品は単なるスペック比較ではなく、周波数帯域ごとの信号特性や損失特性を軸にした設計が標準となるでしょう。

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