“使われ方”が価値を決める──電子部品が創るコト売りビジネス
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製品を「売る」時代から、体験や価値を「提供する」時代へ。モノ売りからコト売りへの流れは、消費者向け製品だけでなく、産業機器・電子部品の世界でも加速しています。単なる“部品提供”にとどまらず、顧客の課題解決や運用支援までを包括したビジネスモデルが注目されています。
■ モノ売り:スペックと価格で勝負していた時代
これまでの電子部品ビジネスでは、「性能が高い」「コストが安い」というスペック競争が中心でした。
しかし市場の成熟や製品の複雑化とともに、部品単体の優劣だけでは差別化が難しくなっています。
■ コト売り:価値提供型の電子部品ビジネス
いま電子部品メーカーに求められているのは、「その部品を使って、どんな価値を生むのか」という使用体験全体への関与です。具体的には以下のようなアプローチがあります。
- センサー+クラウド連携で予知保全サービスを構築
- 通信モジュールと管理ソフトをセットで提供し、遠隔監視ソリューションを実現
- 評価ボードやSDKとともに、開発時間を削減できる仕組みごと提案
- 車載部品で、安全走行支援機能を実現する“機能単位”での提案
■ 新しい電子部品ビジネスの形
「部品を売る」から「体験・ソリューションを一緒に作る」へ。
■ “コト売り”は継続的な価値創出
電子部品の価値は、搭載された製品が使われるたびに発揮されます。つまり、“コト売り”は購入時点ではなく、運用期間全体を通じた価値提供なのです。これは、定額制サービスやリカーリング収益の基盤にもなり得ます。
■ 成功のカギは「提案力と共創力」
コト売りへの転換を成功させるには、エンジニアリングとマーケティングの融合が不可欠です。
顧客と同じ視点で課題を理解し、**一緒に価値を創り出す“共創力”**が、これからの電子部品メーカーの強さになります。