EUVと洗浄が制す!──次世代半導体製造のカギを握る“微細化”と“無汚染”の最前線

カテゴリーblog
この投稿をシェア twitter facebook line

半導体製造の最先端では、ナノレベルの精度が求められる加工技術が進化し続けています。その中心にあるのが、EUV(極端紫外線)リソグラフィーと、露光後の工程を支える洗浄装置の技術です。

これらの分野は、わずかな差が歩留まりや量産性、最終製品の性能に直結するため、世界中の半導体メーカー・装置メーカーがしのぎを削っている「真のコア領域」です。

◆ EUVリソグラフィとは?微細化の限界を超える鍵

EUV(Extreme Ultraviolet)リソグラフィは、波長13.5nmという極めて短い光を使った露光技術で、従来のArF液浸リソグラフィ(193nm)では対応できなかった5nm以下の微細パターン形成を可能にします。

  • EUV光源の安定化と出力強化
  • マスク欠陥の検出・補正技術
  • マルチパターンから単一露光への簡略化

これらのブレイクスルーが、回路密度向上と製造プロセスの短縮を同時に実現し、世界の半導体先端競争において不可欠な存在となっています。

現在、EUV対応露光装置で圧倒的シェアを持つのはオランダのASMLですが、日本の素材・部材・部品メーカーも重要な部分で支えています。

◆ 洗浄装置:見えない“敵”との戦い

半導体製造では、パターン形成後に原子レベルの異物や残渣、化学汚染を完全に除去することが、デバイスの性能・信頼性に直結します。そこで重要なのが洗浄装置の存在です。

特にEUV世代では:

  • 感光材(レジスト)の残留や剥離粒子
  • マスクやウエハへの極微細なダメージ防止
  • 高アスペクト比構造の洗浄均一性

といった課題があり、従来の“液中で洗う”だけでは限界が出てきています。そのため、現在は:

  • 乾式洗浄(プラズマ・O3・UV併用)
  • メガソニック・マイクロバブル洗浄
  • 次世代材料対応の化学レシピ開発

といった革新が求められ、日本企業(SCREEN・東京エレクトロンなど)がグローバル競争力を維持しています。

◆ EUV×洗浄=未来の製造品質の基準

EUVによって露光精度が飛躍的に上がった今、歩留まりの最適化やデバイス信頼性確保の観点では「洗浄」や「パーティクル管理」が決定的な意味を持ちます。つまり:

「見える加工」より「見えない工程」の差が、最先端の品質を決める時代へ

EUVと洗浄装置の技術革新は、半導体の微細化だけでなく、生産効率・コスト競争力・歩留まりすべてに直結する、まさに戦略的中核技術なのです。

このブログを書いた人

長谷川 一英

有限会社 長谷川加⼯所

代表取締役

長谷川 一英

切削加⼯の長谷川加⼯所について

切削加⼯で難しい産業部品を柔軟に製作。
アルミ・スレンレス・鉄 etc。
試作・⼩ロット量産。
詳しくはこちら

お問合わせはこちら