製造を持たずして成長する──ファブレス企業が切り拓く開発主導型ビジネス
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近年、電子部品・半導体業界で存在感を増しているのが、**「ファブレス企業」**です。
ファブレス(fabless)とは、「製造工場(fabrication facility)を持たない」スタイルの企業のこと。
設計・開発の上流工程に特化し、製造は外部のファウンドリやEMS企業に委託することで、軽量かつ高付加価値なビジネスモデルを実現しています。
■ ファブレスの成長を支える背景
- 設備投資リスクの回避
→ 半導体製造工場は数千億円単位の投資が必要。これを外部委託することで資本効率を最大化。 - 設計・IPに集中できる
→ AI、5G、IoT向けに特化した最先端設計技術を強みにできる。 - 製造委託先の進化
→ ファウンドリやOSATの高性能化により、製造面での競争力も確保できる。 - グローバル分業の加速
→ 設計(日本・米国)×製造(台湾・韓国)といったスキームが主流化。
■ ファブレス企業の強みとは?
- 製造設備を持たないためビジネスのスピードが速い
- 新分野(AIチップ、電動車用SoCなど)に素早く対応できる
- 設計とソリューション提案力により高利益率を確保
■ 今後の展望
- 設計上流へのさらなる特化(EDA・システムレベル設計)
- アプリケーションとの一体化開発による差別化
- 海外ファウンドリとの連携深化と“製造を超えた競争力”の確立
■ まとめ
「つくらずして伸びる」。
そんな新しい電子部品メーカーの姿を体現しているのがファブレス企業です。
設計・開発力という知的資産を武器に、次代のイノベーションをけん引する彼らの動向に注目が集まっています。