シリコンウェーハの特徴と種類|半導体を支える基盤材料

カテゴリーblog
この投稿をシェア twitter facebook line

はじめに

半導体デバイスの製造に欠かせない「シリコンウェーハ」は、スマートフォンやパソコンから自動車、医療機器に至るまで、あらゆる電子機器を支える基盤材料です。その品質や特性が最終製品の性能に直結するため、ウェーハは半導体産業の根幹を担う存在といえます。本記事では、シリコンウェーハの特徴と種類について整理します。

1. シリコンウェーハの基本的な特徴

シリコンウェーハは、高純度の単結晶シリコンを薄くスライスし、研磨・加工して作られる円盤状の基板です。主な特徴は以下の通りです。

  • 高純度性:不純物を極限まで取り除き、99.9999999%(9N)以上の純度を実現。
  • 機械的強度:加工や搬送に耐えられる硬度と割れにくさを持つ。
  • 熱的安定性:高温工程でも安定した構造を維持。
  • 加工性:微細な回路形成や表面処理に適した平滑性。

2. ウェーハのサイズ(直径)による分類

シリコンウェーハは直径ごとに規格化されており、製造世代によって使われるサイズが異なります。

  • 4インチ(100mm):研究・開発や一部特殊用途で使用。
  • 6インチ(150mm):パワーデバイスやアナログ用途に多い。
  • 8インチ(200mm):成熟した半導体製造で主流。
  • 12インチ(300mm):最新の量産ラインで利用され、歩留まり改善とコスト低減に有利。
    将来的には18インチ(450mm)の導入も研究されています。

3. 単結晶の種類による分類

シリコンウェーハには結晶の取り方による種類もあります。

  • CZ法(チョクラルスキー法)ウェーハ:大量生産に向く標準的手法。
  • FZ法(フローティングゾーン法)ウェーハ:不純物濃度が低く、パワーデバイスに適する。

4. 表面処理による種類

ウェーハの仕上げ加工によって用途が異なります。

  • ポリッシュドウェーハ:表面を鏡面研磨した最も一般的なタイプ。
  • エピタキシャルウェーハ:表面に単結晶薄膜を成長させ、デバイス性能を向上。
  • SOIウェーハ(Silicon On Insulator):絶縁膜上にシリコン層を形成し、高速・低消費電力デバイスに利用。

まとめ

シリコンウェーハは、サイズ・結晶・表面処理といった多様な種類が存在し、用途に応じて最適なものが選ばれています。半導体の高性能化・低消費電力化を支える基盤材料として、その進化は今後も続いていくでしょう。

お問合わせはこちら