半導体のけん引役|微細加工技術の進化

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はじめに

半導体の性能向上を語る上で欠かせないのが「微細加工技術」です。トランジスタの集積度を高め、より小さく、より速く、より低消費電力なチップを実現するために、製造現場ではナノレベルの加工技術が日々進化しています。本記事では、半導体をけん引してきた微細加工技術の進化とその意義を紹介します。

1. 微細加工技術とは

微細加工技術とは、シリコンウェーハ上に回路を形成する際に、極めて小さな構造を作り込む技術を指します。かつては1ミクロン単位だった加工精度は、現在では数ナノメートル(1ナノメートルは10億分の1メートル)のレベルにまで到達しています。

2. 技術革新の中心:フォトリソグラフィ

微細加工を実現する中心的な工程がフォトリソグラフィです。回路パターンを感光材に転写し、エッチングで削り出すことで、極小の配線やトランジスタが形成されます。

  • DUV(Deep UV):従来主流だった193nmの波長を利用。
  • EUV(Extreme UV):13.5nmの波長を用い、7nm以下の世代で不可欠な技術。

EUV露光の導入は、半導体産業の大きな転換点となりました。

3. トランジスタ構造の進化

微細化に伴い、トランジスタの構造も変化しています。

  • プレーナ型:従来の2次元構造。
  • FinFET:立体的なフィン構造を採用し、漏れ電流を抑制。
  • GAA(Gate-All-Around):さらに微細化に対応する次世代構造。

構造の革新が、性能と消費電力の両立を可能にしています。

4. 微細化の限界と新たな挑戦

物理的限界が近づく中で、微細化だけでなく新材料や3D実装などの多様なアプローチも取り入れられています。微細加工技術は依然として「ムーアの法則」を支える中心的存在でありながら、今後は他技術との組み合わせによって半導体の進化をけん引していくと考えられます。

まとめ

微細加工技術は、半導体産業をリードする最大の原動力です。その進化がデジタル社会の発展を支えており、EUVリソグラフィや次世代トランジスタ構造の登場によって、今後も半導体の可能性は広がり続けるでしょう。

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