激しく揺れるメモリー市場|上位寡占と価格変動のジレンマ

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DRAMやNANDフラッシュなど、半導体メモリー市場はデジタル社会の基盤として欠かせない存在です。しかしこの分野は、他の電子部品と比較しても極めて寡占率が高く、価格の変動が激しいことで知られています。

■ 数社による寡占支配

メモリー市場は、韓国のSamsung・SK hynix、米国のMicronという3社で世界シェアの70%以上を占める、典型的な「上位寡占」構造です。このため、いずれかのメーカーが減産・増産を発表すれば、需給バランスが大きく崩れ、市場価格が急変します。

■ 価格変動が激しい理由

メモリーは汎用性が高く、需要の変動も大きいため、市況の波に直接影響を受けやすい部品です。スマートフォンやPCの需要が一時的に減速しただけで価格が大きく下落する一方、新規アプリケーションの登場や在庫不足で急騰することもあります。

■ メーカーの設備投資がカギ

メモリー市場は巨額の設備投資が必要なため、新規参入が難しく、既存大手の影響力が強いままです。最新世代への移行や、微細化・多層化などの技術革新によって競争優位が決まる一方、それらのコスト回収には市場価格の安定が欠かせません。

■ 日本企業の関与と影響

かつて強かった日本勢は現在、主要プレイヤーとしては後退しましたが、装置メーカーや材料メーカーとしてメモリー市場に深く関わり続けています。価格変動が大きい中でも、これら周辺産業の収益性は意外と安定しています

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