見えないけれど不可欠|受動部品で世界をリードする国内メーカーの強み
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抵抗器、コンデンサ、コイル(インダクタ)などの受動部品は、能動的に信号を処理することはありませんが、電子回路の安定動作に欠かせない“縁の下の力持ち”です。この領域では、日本の電子部品メーカーが世界トップクラスのシェアと技術力を誇っています。
■ 受動部品とは?
受動部品とは、電気信号を蓄える・抑える・整える・通す・遮るといった働きを持ち、以下のような役割を担います。
- 抵抗器(Resistor):電流を制限し、電圧を分圧
- コンデンサ(Capacitor):電荷を蓄え、平滑・ノイズ除去に活用
- インダクタ(Coil):電流変化を抑え、フィルタや電源用途で使用
これらは、スマートフォン、家電、車載機器、産業機器などあらゆる電気製品に数百〜数千点レベルで組み込まれています。
■ 受動部品で強みを持つ国内メーカー
日本の受動部品メーカーは、高信頼性・小型化・大量生産の技術を武器に世界市場をリードしています。
- 村田製作所(Murata)
– 積層セラミックコンデンサ(MLCC)で世界首位
– 通信モジュールやノイズ対策部品でも展開 - TDK
– インダクタ、フェライト、EMC対策品などで高シェア
– センサービジネスやモジュール製品にも注力 - 太陽誘電
– MLCCや高周波部品で強み
– 情報通信・車載・医療分野向けに拡大中 - ローム、KOA、ホシデン、アルプスアルパインなど
– 抵抗器やスイッチ、コネクタなどの特定用途で実績豊富
こうした企業群は、高品質・安定供給・長期供給体制の点で、グローバル市場から厚い信頼を得ています。
■ 日本勢が強い理由
受動部品分野で国内メーカーが強い背景には、以下の要因があります:
- セラミック・フェライト素材の自社開発力
- 微細積層技術による超小型・高耐久製品の製造能力
- 自動化・一貫生産ラインによる安定品質と量産性
- 顧客との共同開発・カスタマイズ対応
これにより、日本製受動部品は自動車・医療・通信などの高信頼性領域で選ばれる存在となっています。
■ まとめ
受動部品は目立たない存在ですが、すべてのエレクトロニクスの基盤を支える不可欠な技術です。素材から製造までの強固なバリューチェーンを持つ国内メーカーは、今後も高機能化・小型化・高周波対応といったニーズに応えながら世界市場をリードし続けるでしょう。