多機能工具で加工時間を短縮!複合加工用ツールの実力

はじめに
生産効率の向上は、どの製造現場においても永遠のテーマです。その中でも注目されているのが、「多機能工具(複合加工用ツール)」の導入です。1本で複数工程をこなすこれらの工具は、段取り削減・加工時間短縮・精度向上に大きく貢献します。本記事では、複合加工用ツールの種類と導入メリットを具体的に紹介します。
1. 多機能工具とは?
**多機能工具(複合加工用ツール)**とは、1本で複数の加工(例:穴あけ+面取り、ドリル+タップなど)を行える工具です。NC旋盤や複合加工機との相性が良く、近年、導入が進んでいます。
2. 代表的な多機能工具の種類と機能
✔ センタードリル兼用工具(穴あけ+面取り)
1本でセンタリングと面取りを同時にこなすことで、工具交換時間をゼロに。
✔ ドリル&タップ複合工具
下穴加工とタップ立てを1工具で実行。位置ズレ防止にも有効。
✔ 溝入れ+端面加工ツール
旋盤加工で活躍。工具切替なしで複数工程が連続実行可能。
✔ バリ取り一体型工具
穴あけ後にそのままバリ除去。仕上げ作業の簡略化に貢献。
3. 多機能工具のメリット
項目 | メリット |
加工時間 | 工具交換不要でサイクルタイムを短縮 |
精度 | 複数工程を連続加工 → 芯ズレや段差低減 |
工具本数 | 工具マガジンの空きが増える → 省スペース化 |
段取り | 工程削減 → 段取り作業の簡略化・ミス低減 |
4. 導入時の注意点
- 工具選定は加工条件に合わせて慎重に(材質・形状など)
- 工具摩耗の進行に注意:1工程の異常が他工程に波及する可能性あり
- NCプログラムの調整が必要な場合もある(複合動作)
5. 活用事例(実例)
● 自動車部品メーカー:ドリル&タップ複合工具導入
→ 工具交換時間が1個あたり15秒短縮 → 年間で80時間以上の加工時間短縮に成功。
● 医療部品加工業者:バリ取り一体型ツール導入
→ 仕上げ工程が不要になり、人手作業ゼロへ。品質も安定。
まとめ
多機能工具は、「時間」「スペース」「品質」の3つの側面から、製造現場の合理化を推進します。加工工程を見直し、最適な複合工具を導入することで、驚くほどの時間短縮と安定した生産が実現できます。今こそ、工具の進化を現場に取り入れてみてはいかがでしょうか?