クーラント(切削油)の効果と選び方を学ぼう
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切削加工において見落とされがちですが、クーラント(切削油)は加工の安定性・品質・工具寿命に大きな影響を与える重要な要素です。この記事では、クーラントの基本的な効果と、目的別の選び方について解説します。
■ クーラントの3つの主要効果
- 冷却効果
加工中に発生する熱を抑制し、工具の焼き付きや熱変形を防ぎます。 - 潤滑効果
刃先と加工面の摩擦を減らし、切削抵抗を軽減して加工面をきれいに保ちます。 - 切りくず排出補助
切りくずの排出を促進し、加工点の視認性向上や再切削の防止につながります。
■ クーラントの主な種類と特徴
- 水溶性タイプ(ソリュブル型・エマルジョン型)
冷却性能に優れ、主に高速加工や一般加工に用いられる。 - 不水溶性タイプ(ストレートオイル)
潤滑性が高く、ねばりの強い材料や仕上げ加工に適している。 - ミスト・ドライ加工向け潤滑剤
最小量潤滑(MQL)など、省資源・環境負荷低減を意識した加工法にも使われる。
■ クーラント選定のポイント
- 加工材の種類(鋼・アルミ・樹脂など)
- 切削速度や送り速度
- 加工の種類(荒加工か仕上げか)
- 加工設備のクーラント供給方式(外部供給/内部供給など)
まとめ:
クーラントは単なる補助剤ではなく、加工の品質と効率を左右する「戦略的な要素」です。目的に合わせた選定と管理で、より高品質な加工を目指しましょう。