“接点”で勝負する両雄|米国の量、日本の質

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電子部品の中でも、コネクターは「電気と信号をつなぐ要(かなめ)」とも言える存在です。特に自動車や産業機器の電子化が進む中で、各国のコネクターメーカーがしのぎを削っています。市場では、大量供給に強い米国勢と、付加価値に優れた日本勢がそれぞれ異なる強みを発揮しています。

■ 自動車向けで強い米国コネクターメーカー

米国の大手メーカーは、世界的な自動車部品サプライヤーとして、豊富な製品ラインナップと圧倒的な出荷数を武器に市場をリードしています。規模の経済を活かし、価格競争力と安定供給体制を確立。特にEV化やADAS(先進運転支援システム)の進展に伴い、車載用の高耐久・多極対応コネクターで存在感を発揮しています。

  • 代表例:TE Connectivity、Amphenol、Molex など

■ 日本メーカーは高信頼・高付加価値で勝負

一方、日本のコネクターメーカーは、高精度かつ長期信頼性に優れた製品で、特定用途における強みを発揮しています。自動車だけでなく、医療機器、半導体製造装置、宇宙・防衛分野など、品質要求の高い市場において厚い信頼を得ています。特注対応やカスタマイズ提案力も評価されており、「数は少なくても代替できない部品」として高付加価値を実現しています。

  • 代表例:日本航空電子工業(JAE)、ヒロセ電機、住友電工、矢崎総業など

■ 成長市場で交差する戦略

今後はEVの普及や5G通信、産業機器の高度化により、高速伝送や軽量・高耐久性といったニーズが拡大。米国企業は量産モデルの進化とグローバル展開力で攻勢を強める一方、日本勢は素材技術や接点設計の精度向上によって差別化を図っています。

■ 接続技術が未来を左右する

コネクターは目立たない部品ながら、信頼性と安全性を支える中核技術です。今後は「誰とつながるか」ではなく、「どうつなぐか」がメーカーの競争力を決める時代。グローバルとニッチ、それぞれの強みが交差するこの分野の進化は、今後も注目され続けるでしょう。

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