仕上げの面粗さとは?
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金属加工や樹脂成形、研磨や仕上げの工程でよく耳にするのが「面粗さ(めんあらさ)」という言葉。
部品の表面がどれだけ“なめらか”であるか、あるいは“ザラザラ”しているかを定量的に評価する指標です。
この記事では、仕上げ加工における面粗さの定義、測定法、加工法ごとの違いなどを実務視点でわかりやすく解説します。
面粗さとは?
面粗さとは、ある表面における微細な凹凸(表面の“肌”)の状態を数値化したものです。
同じ寸法・形状でも、表面のなめらかさによって摩耗、摩擦、気密性、塗装の密着性、機能性が大きく変わるため、重要な管理項目です。
面粗さの単位と代表的な指標
日本国内ではJIS規格に基づき、主に以下の2つが使用されます。
面粗さの測定方法
① 接触式表面粗さ計(スタイラス式)
- 小さな探針を表面に沿って走らせ、凹凸を電気的に検出
- 現場でも広く使用される定番方式
② 非接触式(レーザー・白色干渉)
- デリケートな面やミクロな領域に適する
- 光学部品・バイオ部品などに多い
面粗さが重要視される場面
- 摺動部品(軸受・ピストンなど):摩擦と摩耗の抑制
- 気密部(シール面):リーク防止
- 溶接や接着面:適度な粗さで接合力向上
- 塗装・コーティング前処理:密着性向上と見た目の美しさ
面粗さとコストのバランス
仕上げ精度が高いほど加工コストも上昇します。
▶ 要求品質に対して**「必要最小限の面粗さを見極める」ことがコスト最適化のカギ**です。
まとめ:面粗さは“見た目以上に重要な機能値”
面粗さは単なる見た目の話ではなく、機械・機能・品質の土台となるパラメータです。
設計時には要求機能に応じて適切な仕上げ精度を設定し、加工と検査で確実に実現することが求められます。
「面のなめらかさ」=「製品の信頼性」
切削加工や研磨工程において、面粗さは最終品質を決定づける重要な指標なのです。