ねずみ鋳鉄とは|鉄鋳物の基礎と特徴を解説

カテゴリーblog
この投稿をシェア twitter facebook line

鋳物の世界で最も広く使われている材料のひとつが「ねずみ鋳鉄」です。身近な自動車部品から機械構造材、さらにはマンホール蓋まで、幅広く採用されている理由を知ることで、鉄鋳物の奥深さを理解できるでしょう。

■ ねずみ鋳鉄の定義

「ねずみ鋳鉄(FC)」とは、炭素が片状黒鉛として鋳鉄組織中に存在する鉄鋳物のことを指します。炭素量は約2.5〜4.0%と多く、組織中に細かい片状黒鉛が散らばることで、切削性や鋳造性に優れています。表面色が灰色に見えるため、英語では「Gray Cast Iron」と呼ばれます。

■ 代表的な特徴

  • 鋳造性が高い
    複雑な形状も型に流し込みやすく、量産に適しています。
  • 振動減衰性が良い
    黒鉛片が振動を吸収するため、工作機械のベッドなどに多用されます。
  • コストパフォーマンスが高い
    原料が比較的安価で、再溶解もしやすいことから、大量生産部品で重宝されています。

■ どんな用途で使われているか

ねずみ鋳鉄は、自動車のエンジンブロック、シリンダーヘッド、ブレーキディスクなど、耐摩耗性と寸法安定性が求められる部品に最適です。また、振動や騒音を抑える特性から、工作機械や大型設備のフレーム材としても重要です。

まとめ

古くから使われ続けているねずみ鋳鉄は、鋳物の原点でありながら、現代の工業製品を支える不可欠な素材です。用途に合わせて他の鋳鉄(球状黒鉛鋳鉄など)と選択することで、より高性能な製品設計が可能となります。

お問合わせはこちら