切削抵抗の正体とは?加工負荷の見える化

カテゴリーblog
この投稿をシェア twitter facebook line

切削加工において、工具と被削材の間には「切削抵抗」が発生します。この切削抵抗は、加工中に発生する力の総称であり、工具寿命・仕上がり・加工精度・機械負荷などに密接に関わっています。この記事では、切削抵抗の構成要素とその「見える化」技術について解説します。

■ 切削抵抗とは何か?

切削抵抗とは、加工中に工具が材料を削る際に受ける力のことです。主に次の3つに分類されます:

  • 主分力(切削方向の力)
  • 背分力(工具を押し上げる力)
  • 送り分力(工具を送り方向へ押す力)

これらの力が複合的に作用し、加工の負荷を形成しています。

■ なぜ切削抵抗が重要なのか?

  • 工具摩耗の予測
     高い切削抵抗は工具摩耗の進行を早めます。抵抗変化を監視することで交換タイミングの最適化が可能です。
  • 加工品質の確保
     抵抗が不安定な場合、びびり振動や加工面の乱れにつながります。
  • 設備保全と負荷管理
     切削抵抗が過大になると、主軸や送り軸に負担がかかり、機械寿命に影響します。

■ 「加工負荷の見える化」とは?

近年では、加工中の切削抵抗をセンサーやスピンドル電流モニタなどでリアルタイムに可視化し、データとして取得・分析する技術が進んでいます。

具体的には:

  • スピンドル電流の監視
  • 工具負荷モニタ(Tool Load Monitoring)
  • 加工音のAI分析
  • フォースダイナモメータによる三方向力測定

これらのデータは、異常検知・加工条件の最適化・自動補正などに活用されています。

まとめ:

切削抵抗は加工の「見えない負荷」でありながら、加工の質と生産性を左右する重要な要素です。可視化と数値管理によって、より効率的かつ安定した加工を目指しましょう。

お問合わせはこちら