切削油剤の効果とは?──加工現場を支える“見えない力”

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金属加工の現場で、ドリルやエンドミルの先に常に流れている液体──それが**切削油剤(せっさくゆざい)**です。

単なる“潤滑”だけでなく、工具寿命・加工精度・表面品質・安全性にまで影響を与える重要な存在です。本記事では、切削油剤の主な効果と種類、選定のポイントをわかりやすく解説します。

切削油剤とは?

切削油剤とは、切削加工中に工具と被削材の間に供給される潤滑・冷却用の液体です。目的に応じて、以下のような効果を発揮します。

切削油剤の5つの主な効果

① 冷却効果(放熱)

  • 工具先端の発熱を抑制
  • 熱による寸法誤差や焼付き防止
  • 高速切削・高能率加工に必須

② 潤滑効果(摩擦低減)

  • 工具と被削材の摩擦を軽減
  • 切削抵抗の低下
  • 工具摩耗を抑え、寿命延長

③ 洗浄効果(切りくず除去)

  • 発生した切りくずを排出
  • 精密加工における仕上げ面の保護

④ 防錆効果

  • 加工後の部品・機械を錆から保護
  • クーラントタンク内の金属部品にも有効

⑤ 加工面の安定化

  • 鏡面仕上げや寸法精度の向上
  • 特に難削材(ステンレス、チタンなど)で顕著

選定と管理のポイント

  • 被削材の材質(鋼、アルミ、チタンなど)に適した油剤を選ぶ
  • 腐敗や劣化を防ぐために定期交換・濃度管理を行う
  • 作業者の肌荒れ・ミスト吸入への対策も重要(皮膚刺激性・防護具など)

まとめ:切削油剤は“加工性能を引き出す潤滑な名脇役”

切削油剤は工具でも工作機械でもありませんが、加工精度・工具寿命・安全性のどれをとっても**欠かせない“縁の下の力持ち”**です。

適切な油剤を選び、適切に管理することで、加工現場全体のパフォーマンスが大きく向上します。

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