進化する工具コーティング技術・各メーカーの新世代コートとは?

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切削工具の性能を大きく左右するのが「コーティング技術」です。切削熱や摩耗から刃先を守り、高速・高能率加工を可能にするため、各メーカーは次世代コーティングの開発を競っています。本記事では、最新の工具コーティング技術と大手メーカーの代表例をわかりやすく紹介します。

🔍 1. そもそもコーティングの役割とは?

工具コーティングの目的は主に以下の通りです:

  • 高温下での耐酸化性の向上
  • 摩耗の抑制
  • 切りくずの付着防止
  • 刃先強度の維持
    これにより、工具の寿命が延び、加工精度と生産性が向上します。

🔍 2. 進化するコーティング技術のポイント

近年のコーティングは多層化やナノテクノロジーが進化し、より高性能になっています。特に注目されるのが以下の技術です:

  • ナノ多層コーティング:数ナノメートルの層を積層し、硬さと靭性を両立。
  • ハイブリッドPVD/CVD技術:プロセスの組み合わせで最適な膜質を実現。
  • 高潤滑コート:耐熱性と低摩擦を両立し、難削材にも対応。

🔍 3. 各メーカーの新世代コーティング例

✅ Sandvik Coromant

  • 代表例:Inveio™ 2nd generation
  • 特長:結晶方向制御で熱拡散を抑え、安定した耐摩耗性能を発揮。

✅ Mitsubishi Materials

  • 代表例:Miracle Sigma™コーティング
  • 特長:AlTiN基材に新開発層を加え、耐熱性・靭性をさらに強化。

✅ Sumitomo Electric

  • 代表例:AC8000Pシリーズ
  • 特長:ナノ多層コートで切りくず処理性と耐欠損性を両立。

✅ OSG

  • 代表例:DLC-Aquaコーティング
  • 特長:高潤滑性DLC膜を水溶性クーラントと併用し、非鉄金属や難削材に対応。

✅ Kennametal

  • 代表例:Beyond™ Evolution
  • 特長:耐熱性を向上させた新世代PVDで、耐摩耗と耐欠損を両立。

✅ まとめ

工具の高性能化は、コーティング技術の進化とともにあります。加工条件や被削材に合わせて最適なコーティングを選ぶことで、加工効率・コスト削減を両立させましょう。

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