鉄鋼材料と切削工具の種類の違い

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鉄鋼材料と切削工具の種類の違いとは?~モノづくりの基本を解説~

モノづくりの現場で欠かせないのが「鉄鋼材料」と「切削工具」。普段あまり意識しないかもしれませんが、これらには多くの種類があり、それぞれに適した用途があります。この記事では、鉄鋼材料と切削工具の基本的な種類と特徴、その違いについて分かりやすく解説します。

鉄鋼材料とは?

鉄鋼材料とは、鉄を主成分とした金属材料のことで、建築、機械、車両、工具などさまざまな分野で使用されています。大きく分けて以下の種類があります。

1. 炭素鋼(カーボンスチール)

最も一般的な鋼で、炭素含有量によって性質が変わります。

  • 低炭素鋼(軟鋼):柔らかく加工しやすい。建築材料に多用。
  • 中炭素鋼:強度と延性のバランスが良く、機械部品などに使われる。
  • 高炭素鋼:硬くて摩耗に強い。バネや刃物に使用。

2. 合金鋼(アロイスチール)

クロム、ニッケル、モリブデンなどを加え、特性を向上させた鋼。

  • 耐熱性、耐摩耗性、耐食性などを目的に使用され、工具鋼や構造用鋼に分類される。

3. ステンレス鋼

クロムを主に含み、耐食性に優れた鋼。台所用品から化学プラントまで幅広く使われます。

切削工具とは?

切削工具は、鉄鋼材料などの素材を削るための工具です。工具の種類や素材によって、削れる材質や精度が大きく異なります。

主な切削工具の素材

1. 高速度鋼(HSS)

  • 比較的安価で靱性が高く、汎用的な用途に使われます。
  • 主にドリル、タップ、エンドミルなどで使われる。

2. 超硬合金(カーバイド)

  • 非常に硬く、切削速度が速い。
  • 高精度・高生産性が求められる現場で活躍。
  • 主に旋削用チップやエンドミル、ドリルなどに使用。

3. セラミック・CBN・ダイヤモンド

  • セラミック:高硬度材料の切削に強いが、衝撃に弱い。
  • CBN(立方晶窒化ホウ素):焼入れ鋼などの難削材向け。
  • ダイヤモンド:非鉄金属や樹脂などの超精密加工に使用。

鉄鋼材料と切削工具の関係

切削加工では、加工する材料(ワーク)と、それに対応した切削工具の選定が極めて重要です。たとえば、

  • 軟鋼 → HSS工具でも十分対応可能。
  • 焼入れ鋼 → CBNやセラミック工具が必要。
  • ステンレス鋼 → 切削性が悪いため、耐摩耗性のある超硬工具が向いています。

まとめ

鉄鋼材料と切削工具は、ものづくりの根幹を担う重要な要素です。それぞれの特性と相性を理解することで、より効率的で高品質な加工が可能になります。現場での失敗を防ぐためにも、基本的な知識は押さえておきましょう。

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