チタン合金を削るには?航空機用切削工具の要件と選定ポイント

カテゴリーblog
この投稿をシェア twitter facebook line

チタン合金は軽量で高強度、耐熱性・耐食性に優れ、航空機エンジン部品や構造材に多用されます。しかしその一方で、「切削が難しい難削材」としても有名です。今回は、航空機用チタン合金の切削に適した工具の要件と選定ポイントを解説します。

🔍 チタン合金切削の難しさ

  • 熱伝導率が低いため、切削熱が刃先に集中しやすい
  • 高温での強度保持性が高く、工具摩耗が進みやすい
  • 加工中の弾性変形が大きく、ビビりや寸法誤差を誘発しやすい

これらにより、工具には高い耐熱性・耐摩耗性と安定した切削性能が求められます。

🛠 航空機用切削工具の主な要件

1️⃣ 高耐熱性コーティング

 TiAlN系、AlCrN系などのコーティングが有効。高温下でも硬さを保ち、酸化摩耗を抑える。

2️⃣ 高剛性かつ鋭利な刃先設計

 切削抵抗を減らすため、すくい角を大きめにして切れ味を確保。ただし、刃先チッピングを防ぐ剛性も必要。

3️⃣ 内径クーラント供給

 切削点に直接冷却液を供給し、熱を素早く排出することで工具寿命を延ばす。

4️⃣ 専用形状のチップブレーカ

 切りくず排出性を向上させ、切りくずの再切削を防ぐ。

💡 選定のポイント

  • 工具材質: 超硬合金が一般的。高硬度グレードを選ぶと摩耗に強い。
  • クーラント: 豊富な流量の高圧クーラントが理想。
  • 切削条件: 低速・高送りを意識。無理な高速度切削は工具寿命を大きく縮める。
  • 加工機剛性: できるだけ高剛性のマシニングセンタを使用する。

✏️ まとめ

航空機用のチタン合金切削では、「熱対策」と「切りくず排出性の確保」がカギです。工具の選定は信頼できるメーカーの航空機向け専用シリーズから選ぶのがおすすめ。適切な切削条件と工具メンテナンスを守り、難削材加工を効率化しましょう!

お問合わせはこちら