溶解炉について|金属加工を支える要の設備

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金属加工の現場で欠かせない設備の一つが「溶解炉」です。鋳造や鍛造、圧延といった工程の出発点として、金属を高温で溶かし、安定した品質の溶湯を供給する役割を担っています。今回は、溶解炉の基本から種類、役割までをわかりやすく解説します。

■ 溶解炉とは

溶解炉は、金属や合金を加熱して溶かすための高温炉です。鉄鋼、アルミ、銅、貴金属など、金属の種類や製造量、品質要求に応じてさまざまなタイプがあります。

■ 代表的な溶解炉の種類

1. キュポラ炉

主に鋳鉄の溶解に使われる縦型の炉。コークスを燃料にし、空気を吹き込んで高温を維持します。大量溶解に適し、伝統的な鋳造工場で多く使われています。

2. 電気炉

電気エネルギーを熱源とする炉で、炉内にアーク(電気放電)や誘導電流を利用して溶解します。高品質な溶湯が得られるため、特殊鋼や合金鋳物などの精密溶解に最適です。

3. 高周波誘導炉

コイルに高周波電流を流して金属を誘導加熱で溶解します。迅速な温度上昇と均一な溶湯が得られるため、小規模生産や合金調整に向いています。

■ 溶解炉の役割

溶解炉は単に金属を溶かすだけでなく、スラグ(不純物)の除去や合金成分の調整、溶湯温度の精密制御など、品質を左右する重要な工程です。安定した溶湯は、その後の鋳造や圧延工程の歩留まりと品質を大きく左右します。

まとめ

金属を形にする出発点として、溶解炉はものづくりにおける最重要設備の一つです。炉の種類と特徴を理解し、最適な溶解方法を選ぶことが高品質な製品づくりの第一歩となります。

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