鋳造トラブルを見逃すな!湯じわ・湯漏れ・湯回り不良の原因と対策

カテゴリーblog
この投稿をシェア twitter facebook line

鋳造品に現れる欠陥の中でも、湯じわ・湯漏れ・湯回り不良は、見た目や機械的性質に悪影響を与える代表的な不良です。見た目に現れる表面欠陥であるため、出荷後に発見されるケースも少なくありません。

本記事では、それぞれの不良の原因と対策について、わかりやすく解説します。

● 湯じわとは

湯じわ(cold shut)は、金属が流れ込む際に複数の金属流が合流しきれず、境界が残る現象です。表面に細いスジ状の線や段差が現れ、時には内部に微細な空洞が残ることもあります。

  • 原因:湯温不足/流動性不足/遅い充填速度
  • 対策:湯温の管理、鋳型設計の見直し、湯道の最適化

● 湯漏れとは

湯漏れ(leakage)は、鋳型の隙間や型割れから溶湯が漏れ出す不良で、余計なバリや金属の飛び出しとなって現れます。安全性・外観に大きな影響を与えます。

  • 原因:型合わせ不良/締め付け不足/鋳型の損傷
  • 対策:型の精度維持、締付圧の均一化、離型剤の適正使用

● 湯回り不良とは

湯回り不良(misrun)は、溶けた金属が型の隅々まで行き渡らず、成形不良になる現象です。未充填のまま固まった部分は強度不足や機能不良の原因になります。

  • 原因:湯温低下/型冷却過多/通気不足/流動設計のミス
  • 対策:湯口配置の最適化、ベント設置、保温・加熱の調整

● 不良の早期発見と品質改善へ

これらの欠陥は、外観検査だけでなく、湯流れシミュレーションや温度管理センサーの活用で予防することが可能です。鋳造工程での品質安定化は、不良率の低減と信頼性向上につながります。

お問合わせはこちら