チップ交換式と一体型工具、どう使い分ける?
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切削加工に欠かせない工具には、大きく分けて「チップ交換式」と「一体型(ソリッド型)」の2種類があります。それぞれの特長と使い分けのポイントを理解しておくことで、コストと加工効率の最適化が可能です。
■ チップ交換式工具とは?
チップ交換式工具は、刃先(チップ)だけを交換できるタイプの工具です。ホルダー本体は繰り返し使用でき、摩耗や欠けたチップだけを取り替える構造です。
メリット:
- コスト削減(工具本体の再利用)
- 工具交換が簡単・素早い
- チップの種類で多様な加工が可能(荒加工~仕上げ)
デメリット:
- 切削剛性は一体型に劣る
- 微細加工には不向き
■ 一体型(ソリッド型)工具とは?
一体型工具は、シャンクから刃先までが一体成形された工具です。ドリルやエンドミルに多く用いられます。
メリット:
- 高い剛性と安定性
- 微細加工や高精度加工に向いている
- 振動に強く、仕上げ面が良好
デメリット:
- 摩耗時は全体を交換(コスト増)
- 再研磨の手間がある(対応設備が必要)
■ どう使い分けるべきか?
加工内容 | 推奨工具 | 理由 |
荒加工・量産 | チップ交換式 | 交換が早く、コスト効率が良い |
高精度加工 | 一体型 | 安定性と剛性が求められる |
微細・形状加工 | 一体型 | 精密な切削が可能 |
段取り回数削減 | チップ交換式 | 簡単にチップ交換が可能 |
■ まとめ:
どちらの工具も一長一短があります。使用する工作機械や加工材質、目的に応じて、最適な工具を選定することが加工品質・コスト・時間すべての最適化につながります。