PVDコーティング超硬ソリッドドリルの実力|耐摩耗性・高精度加工を実現する先端技術
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はじめに
高速・高精度が求められる現代の切削加工において、「PVD法コーテッド超硬ソリッドドリル」は欠かせない存在です。高硬度・高靭性の超硬母材に、耐摩耗性に優れたPVD皮膜を施すことで、工具寿命の延長・仕上がり品質の向上を両立します。本記事では、その特長と使用メリットを詳しく解説します。
PVD法とは?
PVD(Physical Vapor Deposition:物理蒸着法)とは、金属やセラミックを蒸発・イオン化し、工具表面に高密着・薄膜でコーティングする技術です。代表的な皮膜には以下があります:
- TiAlN(チタンアルミナイトライド)
- AlCrN(アルミクロムナイトライド)
- DLC(ダイヤモンドライクカーボン)
これらは摩耗や熱への耐性に優れ、乾式加工・高速切削にも対応できます。
主なメリット
- 高硬度材の穴あけでも長寿命
- 加工精度が安定しやすい
- 乾式・湿式の両加工に対応
- 切りくず処理性が向上(チッピング防止)
- 再研磨可能なタイプもありコストダウンに貢献
活用分野
- 自動車部品(ギア、ケース類)
- 金型(焼入れ鋼の下穴)
- 航空機(チタン・耐熱合金穴あけ)
- 医療機器(ステンレス系材料加工)
選定時のポイント
- 穴径・深さに適したドリル形状(2D~8D)
- 対象材料に適した皮膜種(TiAlN or AlCrNなど)
- 内部給油タイプの採用で冷却効率アップ
- 加工条件に応じた先端形状(シンニングなど)
まとめ
PVDコーティングを施した超硬ソリッドドリルは、高能率・高精度加工に不可欠なツールです。母材とコートの選定を最適化することで、難削材でも高い生産性を維持できます。今後ますます多様化する被削材・加工条件に対応するために、工具選びと使い方の最適化がカギを握ります。